結論としては、
空いているガレージがあるなら、そこに入れなさい。
これに尽きます。
そんなことは分かっています。
でも現実には、通勤や使い勝手、家族の生活動線など、様々な事情があります。
だから今回は、私がD-TRACKER X Final Editionの盗難対策について考えていることを書いてみようと思います。
D-TRACKER Xは盗難されやすいバイクなのか
D-TRACKER X Final Editionは2016年式の絶版車です。
しかし、不思議なことにD-TRACKER XやD-TRACKER、D-TRACKER125は盗難車ランキングではあまり見かけません。
人気がないのでしょうか。
それとも盗難グループから見て魅力が少ないのでしょうか。
正直なところよく分かりません。
一方で、近年のバイク盗難件数は増加傾向にあります。
特に都市部では大型バイクや高額車両、人気車種を中心に盗難被害が後を絶ちません。
ランキング外だから安心。
そんな風には考えていません。
世間での人気はどうあれ、私にとってD-TRACKER X Final Editionは特別な一台です。
盗難対策を考えない理由にはなりません。
私は過去にバイクを盗まれている
実は私は、独身時代にGSXインパルスを盗まれた経験があります。
当時は賃貸住宅に住んでいました。
駐輪場には地球ロックできる場所がなく、チェーンロックとバイクカバーで保管していました。
ある日、出張から帰宅した私は異変に気付きます。
バイクがありません。
最初は停める場所を間違えたのかと思いました。
ですが、何度見てもありません。
すぐに110番通報しました。
警察官の方が現場検証に来てくださり、状況を確認した後に言った一言を今でも覚えています。
「たぶん、見つかんないと思うよ」
その瞬間の絶望感は忘れられません。
もちろん、警察官の皆さんが全員そうだとは思っていません。
ですが、盗まれた側としては非常につらい言葉でした。
それ以来、盗難対策には気を使っている
それ以降、盗難対策にはかなり気を配るようになりました。
おかげなのか、それとも単純に人気車ではなかったのか。
バンディット250。
スーパーカブ。
クロスカブ。
これらのバイクは盗難被害に遭うことなく過ごせています。
だからといって油断するつもりはありません。
特に今回購入したD-TRACKER X Final Editionは、10年近く憧れ続けたバイクです。
盗難だけは絶対に避けたい。
そう思っています。
我が家の保管環境
実は盗難だけを考えれば、我が家にはシャッター付きの屋内ガレージがあります。
ですが、D-TRACKER Xは通勤にも使う予定です。
毎朝車を移動させてガレージから出し、帰宅後も同じ作業を繰り返す。
それを毎日続けるのは現実的ではありません。
さらにガレージ内は広くないため、出し入れの際に転倒させるリスクもあります。
そのため現在は、自宅敷地内の屋根があるスペースを利用して保管する予定です。
もちろん、
- 地球ロック
- バイクカバー
- 人目につきにくい配置
など、できる限りの対策は行っています。
完璧ではありません。
それでも何もしないよりはずっと良いと思っています。
今回選んだチェーンロック
今回購入したのは、KOMINEのENIGMAチェーンロックです。
太さ10mmのチェーンで重量もしっかりあります。
私が特に気に入ったのは、地球ロックを前提に使いやすいことです。
チェーンを地面に置かず、柱などを利用して浮かせることで、ボルトクリッパーなどの工具に力を掛けにくくできます。
絶対に盗まれない方法ではありません。
ですが、「面倒だから別のバイクを狙おう」と思わせることはできるかもしれません。
私は盗難対策で一番大事なのは、盗難を不可能にすることではなく、盗難を面倒にすることだと思っています。
なぜチェーンロックを選んだのか
地球ロック
まず、一番手っ取り早い地球ロック、地球ロックはチェーンなどを使い、地球とバイクをつないで盗難を防ぐ手っ取り早い方法です。
どんな盗難犯でも、地球に繋がれたものを持っていくことはできません。
単なる輪っかのチェーンロックでは、スケートボードや台車に乗せればバイクを動かすことが可能です。
それを防ぐための地面とバイクをつなぐ地球ロックが有効なのです。
宙に浮かせる
チェーンロックを切断するだけであれば、金鋸やグラインダーがあれば切断可能です。ですが、それは巨大な音を撒き散らしてしまい、盗難には不向きです。
盗難犯は音を極限までださないようにチェーンロックの切断を試みます。ニッパーやペンチでは不可能なチェーンの切断もボルトクリッパーなどの巨大な工具を使用すれば、細いチェーンなどは切断されてしまいます。
ですが、このボルトクリッパーで切断するためには、かなりの力が必要です。ですが、ロックが地面にある場合、ボルトクリッパーを地面と自分で挟み、体重をかけることでチェーンを切断できてしまいます。
そのために地球ロックでありながら宙に浮かせることが有効なのです。
KOMINEのENIGMA
ENIGMA(エニグマ)とは、そもそも戦時中に使用されたドイツ軍の暗号機で、多くの国が暗号解読に乗り出したものの、10年近く解読には至らなかったものです。
その暗号機にあやかって名付けたものと推測されます。
絶対に破られないという企業メッセージと意気込みを感じさせます。
ENIGMAは太さ10mmもしくは12mmの各断面チェーン(切り込みが入りづらい)とU字型のバッドロック(巨大な南京錠)を組み合わせた盗難防止用チェーンで、チェーンにはカバーがあり、バイクへの傷を防ぎます。
チェーン自体の重量から、出先に持っていって使用するのは難しいですが、U字ロックは単体でも使用できます。
ただ、このチェーンロックもそれなりのお値段がするため、チェーン自体盗まれないよう、我が家ではバイクがないときでもチェーンロックさせています。
バイクカバーを選んだ理由
バイクカバーはバイク本体をマスクする効果があります。
マスクすればどんな効果があるのかと良いますと、夜間に目立ちづらいこととカバーの中にどんなバイクがあるのかが不明であること。盗難対策としてはこれだけです。
例えばですが、犯罪を犯すリスクを考えたときに、中に何が入っているかわからないバイク、つまりボロボロでサビだらけのバイクかもしれない。売ることもできない超不人気車かもしれない。
そんなバイクをわざわざ捕まるかもしれない、運ぶ際に怪我をするかもしれない、そんなリスクを背負ってまで盗難しようとは思わない。
そんな効果です。
バイクカバーはひと目からマスクするだけではありません。重要なのは防水対策と紫外線対策です。
バイクは金属でできているため当然ながら錆びます。日本の雨は微酸性〜弱酸性です。錆は金属が水分と酸素が結合する際に超微量の電気を発生させ、その電気が原因で腐食するときに発生します。その雨を直接バイクに当たらないようにカバーするためのものです。
紫外線は金属部分には影響はありませんが、塗装を劣化させます。また、塗料だけでなく、紫外線を受けたゴムや樹脂などは「光酸化劣化」を起こしやすく、硬化やひび割れの直接の原因になります。
完全に紫外線を防ぐことは難しいですが、カバーをしないよりはカバーしたほうが何十倍もマシです。
盗難対策に正解はない
盗難対策について調べていると、
「そんなもの意味がない」
という意見をよく見かけます。
確かに、本気の窃盗団を相手にすれば絶対はありません。
それでも、何もしないよりは確実に良いはずです。
私は過去にGSXインパルスを盗まれています。
だからこそ、チェーンロックを掛ける理由も、バイクカバーを掛ける理由もよく分かります。
D-TRACKER Xは世間的には特別人気の高い車種ではないかもしれません。
ですが、私にとっては10年近く憧れ続けた特別な一台です。
だからこそ、面倒でもチェーンを掛ける。
面倒でもカバーを掛ける。
面倒でも盗難対策を考える。
盗まれてから後悔するより、何もしなかったことを後悔したくないからです。
今日もチェーンロックを掛けてカバーを被せよう。
ファイナルは、まだ終わらない。

